塾生による報告です。6月1日の公演のことも書いてくれています。『センセイの鞄』のツキコさんの衣裳を作って下さったのは、何と、この塾生です!
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『センセイの鞄』公演成功おめでとう!!お祝いのお菓子も並んで、お芝居の感想を述べ合いました。
「お芝居にどんどん引き入れられてとても感動した。灰地順さんのセンセイと谷英美さんのツキコさんが座っているだけでも、いろんな情景が目に浮かぶ素晴らしい時間だった。」
「あんまりかわいくて、塾長じゃないみたいだった。さすが女優だよね」
「白い襟の衣装がよかった。」
「一回きりの公演ではもったいない。」
「センセイ、好きという台詞は、演技じゃなくて谷さんの本心だね。」などなど。
塾生たちは当日、会場ロビーで、物品販売など裏方でも頑張りました。私は、一緒にお芝居を観る友人を案内して川越見物。お手伝いできなくて、ごめんなさい。塾への出席も1ヶ月ぶりです。
この日のお稽古は、「おねんねお舟」「隣の子供」「切り石」「魚の嫁入り」「ばあやのお話」(『美しい町』JULA出版局より)の5編を取り上げた。「魚の嫁入り」では、行列で歩きながら輪読をして、嫁入り行列の雰囲気をあじわった。
個別練習では、5編の中から3編を選んで朗読するのだが、全員が選んだ「ばあやのお話」を報告する。
「ばあやのお話」
ばあやはあれきり話さない、
あのおはなしは、好きだのに。
「もうきいたよ」といったとき、
ずいぶんさびしい顔してた。
ばあやの瞳には、草山の、
野茨のはなが映ってた。
あのおはなしがなつかしい、
もしも話してくれるなら、
五度も、十度も、おとなしく、
だまって聞いていようもの。
ばあやは、(詩の主人公である)わたしをとってもかわいがってくれる。生まれた時から面倒をみてくれた乳母なのだろう。おかあさんには、言えなくても、ばあやにはわがままが言える。そんなばあやとの距離感を表現したいと思って朗読してみた。
「あの大好きなお話を、もう一度読んで」とねだれない、ばあやとの距離を表現する人もいた…
ばあやが好き、慕っている。「だからまた読んでね」とあたたかく甘える読みの人も…
ばあやのお話ってどんなのだろうと想像する落ち着いた読みの人…
毎度ながら個性の表れる読みであった。
昔々小学生だった頃、一緒に住んで子守をしてくれていた<ねえや>がお嫁入りをするときに峠まで見送ったという体験を持つ塾生がいた。その読みは、少年だった頃の思いのこもったしみじみとしたものだった。