2012年11月30日金曜日

久々に、地元でのお仕事です

成道会記念 川越仏教講座

2012年12月1日(土)13:30~
@川越市 蓮馨寺 本堂
入場無料

①成道会 法楽
 市内各宗派の僧侶による、お釈迦さまのお悟りをお祝いする儀式

②記念法話「今を生きる」
 萩野映明 師(埼玉県佛教会会長)

③詩の朗読とお話「金子みすゞの世界」
 谷 英美

主催 川越市佛教会

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いよいよ明日です。

このお仕事いただくきっかけとなったのは、GWにこのお寺の境内で行われたイベントでした。

ドシャ降りの雨の中、陸前高田の知的障がい者作業所[あすなろホーム」の商品と、戸羽市長の『被災地の本当の話をしよう』という本を売ってたんです。

でも、だ~れも止まってくれなくて…(涙)。

5月の時点で、震災から1年2ヶ月。支援の熱が冷めるには、ちと早過ぎるんでないか…!世間の風は、つべたいなぁ…と悲しかった…。

寒いし、お腹はすくし、寂しくなってきて…。

そんな時、このお寺にご用でいらしていた、川越市常楽寺のご住職が立ち寄って、たくさん買って下さったんです!「ご苦労様、頑張って下さい」と!!!

地獄で仏ならぬ、お寺で仏です。そのご縁が、お仕事に繋がりました。

もう一人、仏様のような方との出会いに恵まれました。

近所の[くるみの木]というお店の、太っ腹なママが、大量に売れ残っている在庫を見て、「現金で買い取って、うちで捌いてあげましょう」と!!!

以来ママは、[あすなろホーム]と直でやりとりをし、陸前高田支援コーナーという定番の棚を作って下さいました。

「本は売れないのよねぇ」と言いながら、戸羽市長のご本も置いて下さっています。

川越にいらっしゃるような時があれば、ぜひお立ち寄り下さいね。
 http://kurumino-ki.org/ 

ママのお名前も、何と<谷さん>なんですよ~☆8月には陸前高田に行き、[あすなろホーム]も訪ねてきたそうです*smile*

2012年11月27日火曜日

2012年11月27日(火) キラリ☆笑レポート

今日は、バラ尽くし。

テーマとかけた曲のイメージから、自由に動く<ムーヴメント>のテーマも、バラ。

音読のテキストも、金子みすゞの「薔薇の根」と…

♪歌の朗読「バラが咲いた」。
  ↑カラオケ、伴奏をバックに歌詞を朗読。ピアノを弾けるメンバーが3人もいるので、生ピアノをバックに朗読という贅沢さ☆

「薔薇の根」は、謎めいたラストについて、どんな解釈が飛び出すか楽しみでした。どんな詩かといいますと…


「薔薇の根」
はじめて咲いた薔薇は、
紅い大きな薔薇だ。
   土のなかで、根がおもふ。
   「うれしいな、
    うれしいな。」

二年めにや、三つ、
紅い大きな薔薇だ。
   土のなかで、根がおもふ。
   「また咲いた、
    また咲いた。」


三年めにや、七つ、
紅い大きな薔薇だ。
   土のなかで、根がおもふ。
   「はじめの花は
    なぜ咲かぬ。」              第二詩集「空のかあさま」より(JULA出版)


狙い通り、ラスト2行について、「どんな意味なんですか?」と質問があった。
「いろんな解釈できるよね。皆さんは、どんな意味だと思いますか?」と私。

☆単純に、初めの花が二度と咲かないのは、あたりまえでしょう。
☆みすゞは詩人という芸術家だから、慣れて最初の感動が薄れていってしまうことを表現しているのでは。
☆散ってしまった花は生き返らないと、命のことを謳っているんだと思います。
☆いやぁ、これは間違いなく<初恋>の詩ですよ!

…etc。これぞ、サークルの醍醐味☆一人で詩集を読んでいては出会えない発見があります。

ラストについての解釈ではないけれど
「根が思う、っていうところが凄いよね、タイトルも薔薇の根だし。フツーは、薔薇の花の詩にするよね。でも、根っ子が主役だもん」
「そこが、みすゞなんだよね。」

…ニコニコと聞いている私でした*smile*

2012年11月25日日曜日

2012年11月12日みすゞ塾レポート

毎度、塾生は早々にレポートを送って下さっているのに…明日が塾という日になって、前回のレポートです。ごめんなさい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

第1詩集『美しい町』(JULA出版)より「おとむらいの日」「大漁」「お正月と月」「秋のおたより」「かくれんぼ」

『美しい町』は6つの章があって、それぞれに<タイトル>がついている。

「おとむらいの日」は、<おとむらいの日>という章の最後におかれ、「大漁」は、<大漁>という章の最初におかれてある。

章は分かれるが「おとむらいの日」も、「大漁」も、詩の中に<とむらい>という言葉がある。

そんな2編が続いている並べ方には、みすゞの思いがあるのではなかろうか。みすゞの思いを想像するといろいろ広がっていくし、読みも人それぞれになる。

それらの詩ではないが、今回はもう1つおもしろい取り組みをした。題して<蓮馨寺劇場>はじまり、はじまり~!


「かくれんぼ」

かくれりゃすぐに
みつかって、

鬼になったら
城取られ、

いついつまでも
城取られ、

いつまで
鬼の
かくれんぼ。

日ぐれはお家が
なつかしい。

「煙が目にしみる」というジャズをバックミュージックにして、トレンディドラマ風に読み上げるという課題です。

夕方。都会のビルの屋上。やり手のビジネスウーマンが、仕事に失敗してやるせない思いになっているという想定で<桃井かおり>を思い浮かべよという指定もありました。

Aさん「なりきってます。いつもと違う人です。」

Bさん「おもしろーい。中間管理職の悲哀が出てました。」(塾の黒一点です。)

Cさん 読み終えるなり、「失敗だぁー、できないよー」。「でも、それもいいんだよ」。

Dさん「みすゞの詩であり得ないことができるね。」

Eさん「やるじゃん!アハハハ。」

塾長は、さすが!都会風!!

演技派、個性派勢揃い。クスッと笑い、はたまた大爆笑。にぎやかで楽しい<蓮馨寺劇場>でした。

2012年11月21日水曜日

明日、福島に<心のごはん>を出前します☆

2012年11月22日(木)13:30~
<こおり応援>朗読・講演会 「金子みすゞの世界」
@福島県桑折町 桑折町公民館

入場無料

主催 金子みすゞの世界「こおり応援」朗読・講演会実行委員会

共催 桑折町商工会
   元気こおり本舗有限責任事業組合
   桑折町女性団体連絡協議会

後援 桑折町
   桑折町教育委員会
   桑折町PTA連絡協議会
   桑折町商工会青年部
   桑折町商工会女性部

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

桑折町には、浪江から、たくさんの方々が避難してきておられるそうです。

私はちっぽけな俳優なので、ささやかなことしかできないけれど、せめてひととき金子みすゞの世界に心を遊ばせてもらえるよう、ちょっぴりでも元気になって帰っていただけるよう、心を込めて朗読とお話をしてきます。

お天気に恵まれますように*smile*

2012年11月15日木曜日

土曜日、ワークショップをやります☆

やってみよう!!自己解放のために~金子みすゞの生き方と詩の朗読~

2012年11月17日(土)13:30~15:30
@パートナーシップさいたま 会議室3
 さいたま市 シーノ大宮センタープラザ3階
参加費 無料

主催 大宮つげの会(男女共生推進グループ)/ さいたま市

市民が企画する講座です

金子みすゞに、「悪太郎の唄」という詩があります。ガキ大将の<悪太郎>が主人公。いじめっ子の悪太郎クンは、実は継子なのです…。だから寂しくて、心が暴れてしまうのです。

その詩をモチーフに、ピックアップした23編の詩を、参加者でリレー朗読。「悪太郎の唄」という物語が立ち上がるか、否か…という実験劇場☆

見事、立ち上がりましたら御喝采!!!

2012年11月12日月曜日

明日は…

被災地への「金子みすゞ」出前レポート
陸前高田と福島の今

11月13日(火)13:30~
@さいたま市 鈴谷公民館 1階 多目的ホール
入場無料
鈴谷・大戸公民館共催 人権講座

さいたま市在住・在勤の方が対象ですが、視察なさりたい方はご一報下さい。

震災前に、陸前高田と福島に、何度もお芝居を呼んでいただきました。そのご縁の中で、ステージの出前を続けています。

薄っぺらい優しさなんて通用しない<現場>に、悩みながら通って思ったこと、感じたこと、伝えたいことを、あなたに…。

被災地の生なリアルを、女優がイタコします☆ぜひ、聞きにいらして下さい!

2012年11月11日日曜日

2012年10月29日みすゞ塾レポート

塾生は、いつも早々にレポートを寄せて下さるのだが、ついついUPするのが遅くなり…。明日が次の塾、という日に、前回のレポートをやっとUPするなんて…まことに相すまぬことで。

明日の塾も、楽しみだなぁ☆

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回は、『美しい町・上』JULA出版より「木」「すねた時」「海の鳥」「トランプの女王」「漁夫の小父さん」

「木」

お花が散って
実が熟れて、

その実が落ちて
葉が落ちて、

それから芽が出て
花が咲く。

そうして何べん
まわったら、
この木は御用が
すむかしら。


いろんな角度から解釈できる詩である。「御用のすんだ木はかわいそう。」と木に同情できるみすゞはえらいととらえる人は、塾生にはいなかった。生まれてから御用がすむまでの一生がつながって、自然が成り立っている。そういうサイクルを受け入れて、詩に込めているのだ私はと思う。

朗読練習では、読み手の生きてきた日々や、人柄がこの短い詩の朗読の中に表れて、おもしろかった。

トップバッターは、黙々と生きている木々に思いを寄せてしっとりと読み上げた。娘さんが小さかった頃お絵描きで、まるでこの詩そのものののような絵を描いたそうだ。シンプルに木の命のサイクルを描いていたことを思い出し、感動したと話された。聞いている私たちも感動した。

続いて、素直に木々の移り変わりを読むのを聞いた塾長は、子どもがどう読むか聞いて見たいと言われた。「深い詩だけど、大人とは全然違うよみをするんだろうね」と。長く生きているとなかなか無邪気にはなれないものである。

最後は、命がつながることの尊さ、黙って生きる木の偉大さが伝わる深い読みであった。詩の中に「まわったら」という言葉があり、そこからつながり、サイクル、永遠というイメージが広がっていく…。

毎回、5編の中から、塾生は3編を選び、朗読練習をする。なぜ選んだかを聞くのも、とても楽しい。また、この人はこの詩が好きだろうと、秘かに予想する楽しみもある。

塾の最後は、塾長がその回の5編を朗読。女優さんを塾生だけで独占する贅沢な時間だ。「どうしても性格が出てしまうから、この詩は、みんなみたいに可愛くよめないな…」と塾長。さて、それはどの詩でしょう?

実際に朗読を聞いて、一同大爆笑!塾長、すみません。たしかに、可愛くなかったです(笑)。

2012年11月10日土曜日

詩で生涯を綴る「金子みすゞ物語」レポート その3

今回、開催して下さったのは、「さいたま市で本居さんを知らなかったらモグリ」と言われる方で…

本居さんの鶴の一声で、西区の区長さんまでいらして下さいました!偉い方はお忙しいですから挨拶だけして帰られる場合が多いのですが、最後まで聞いて下さって…嬉しかったです。

女性の区長さんで、以前、男女共同参画課にいらしたとのこと。「みすゞのお話で、西区の男女共同参画に協力してほしい」と、おっしゃっていました。

男女平等が進んだとはいえ、女性が区長になる…なるまでも、なられた今現在も、どれほどのご苦労があることか…。

だからこそ、女性に自由が無かった時代を生きた金子みすゞと、共振するものがあるのかもしれません。

昭和になってからでさえ、小説など読んだら、それだけで不良と言われたと聞いています。

そんな時代に、女が文学をやる、詩を書く困難を、みすゞは生きて自裁しました。

私もそうですが、女だてらに自分を貫く困難がみすゞと重なって、区長さんも共振してしまったのかもしれません。

西区のお役に立てる場が広がるといいな☆

それにしても、本居さんってスゴイ!!!「近所だから、ちょっと区役所までチラシ届けに行ってみましたヨ*smile*」と、まるで八百屋さんにでも行ってきたかのような風情で(笑)。

本当にスゴイ方って軽やかで、全然威張らないですよね。

大宮のお母さんとお慕いする本居さんに、かれこれ8年もご支援をいただいて…本当に、私は果報者です。感謝。

2012年11月9日金曜日

詩で生涯を綴る「金子みすゞ物語」レポート その2

金子みすゞは苦手です、という方もけっこういるんです。昨日の『みすゞ物語』でも、こんなアンケートがありました。

…「実は、金子みすゞはあまり好きではありませんでした。震災後のCMも、好みに合わない上に、毎日何度も聞かされうんざりでした。でも、深く知りもぜず、生意気な解釈をするべきではないと、本当に反省しています。谷さん、ありがとうございました!」…

みすゞの故郷、仙崎駅からみすゞ通りを入ってすぐ左手にある、松浦商店の女将さんも、「みすゞ嫌い」とおっしゃっていました。

私ね、<苦手>という気持ち、わかる気がするんですよ。

『おさかな』という詩でみすゞは、なんにも悪いことをしていないのに、こうして私に食べられてしまう魚は可哀相…と言っています。

この詩って、<可哀相>などとカケラも思わないで、美味しく魚を食べてしまう自分を映す合わせ鏡になってしまうんですよね。可哀相と思えないことに傷ついてしまうというか。

だから、みすゞを<苦手>という人って、みすゞ以上に繊細なんだと思うのです。

そんな方たちに、みすゞの立派な詩だけではなく、うんと人間臭いドロドロな面を伝えたい…。

苦しかったからこそ、美しい憧れを謳ったみすゞの願いを伝えたい…。

そんな思いでいるので、<苦手>だった人に心変わりしてもらえると、「よっしゃ~~~!!!また、やったるで~~~!!!」という気持ちになります。

そんなこんなで、みすゞ街道まっしぐら…な私です☆

2012年11月8日木曜日

詩で生涯を綴る「金子みすゞ物語」レポート その1

終わってから、都内へヴォイストレーニングに行ったので、今やっと片付けが終わりました!フ~…

というところで、ちょっとだけご報告☆

後半、みすゞの心が崩れてくる話にさしかかってから、ずーっと下を向いて固まっているお客さんがいました。

一番前で、熱心に聞いて下さっていたし、寝ている身体には見えなかった…

…声を殺して、号泣していた。

朗読が終わり、質問タイム半ばまでしゃくりあげていた。

終了後、一心に書いて下さっていたアンケートって、たぶんこれだと思う。

「詩集も持っていて、みすゞの優しさ、強さ、温かさ、淋しさ…いろいろな感じを受けていたのですが、こんなに切ない気持ちになったのは初めてです。自分が泣くとは、思ってもみなかった。みすゞが生命のことをたくさん考えていたのは憧れであって、与謝野晶子のように、生命力みなぎる生き方はできなかったんだろうな…」。

私(谷)って、万人ウケするタイプではないけれど、チャンネルが合っちゃった人にとっては、鮮烈なのかも…。

毒か劇薬かは、相性次第…(笑)?!

まだまだ書きたいことあるので、次につづく…*smile*

2012年11月7日水曜日

明日、詩で生涯を綴る「金子みすゞ物語」です☆

朗読 講演会
詩で生涯を綴る「金子みすゞ物語」
2012年11月8日(木)10:00~
@さいたま市 指扇公民館 レクホール
入場無料

主催 あじさいの会
共催 指扇公民館

さいたま市内在住・在勤の方が対象ですが、視察なさりたい方はご一報下さい☆

震災を経て、誰もが<大切なこと><大切なもの>について、考え始めているのではないでしょうか。

金子みすゞは、遠い昔に置き忘れてしまった<何か>を思い出させる<何か>…があるような気がします。

たとえば、<ゆびきり>。いつからしてないだろう…子どもの頃は「また明日ね」って無邪気に言えたのに…。大人は、その<明日>は来ないかもしれないことを知っている…。

そんなことに、ハッとしたり、胸がキュ~ンとしたり、鼻の奥がツ~ンとなったり…。

そんな懐かしい頃の自分に、もう一度、会いにきませんか?明日、お待ちしています。

引っ越し:追記

谷英美サイト は、この旧ブログへお引越し予定。サイトは閉鎖予定です