２０１５年５月２５日〈みすゞ塾〉レポート

皆さんはもし、人形を土に埋めるとしたら、抵抗を感じませんか？
いくら人形とはいえ、生き埋めみたいで…

金子みすゞに、人形を埋める詩があって、月曜日の〈みすゞ塾〉では喧々諤々でした。
　http://www2.u-netsurf.ne.jp/~apro/html/lecture_regular/misuzu_juku.html　

『人形の木』
いつだか埋めた種からは、
ちひさい桃の木生えました。

たつた一つの人形だけど、
お庭のすみに埋めませう。

さみしくつてもがまんして、
ちひさい二葉を待ちませう。

ちひさいその芽をそだてたら、
三年さきで花が咲き、
秋にやかはいい人形が生つて（なって）、
町ぢゆうの子供にひとつづつ、
木からもいではわけてやる、
人形の木が生える（はえる）から。

（金子みすゞ全集『さみしい王女』ＪＵＬＡ出版より）

私は、ちょっと不気味なモノを感じ〈狂気〉というカテゴリーに分類していたのですが、塾生からは…

Ａ：みんなにあげるために人形を増やすという優しい気持ちなんだよ。
Ｍ：私はこの詩、好きなの。
谷：どのあたりが？
Ｍ：どのあたりって…全部。

…なるほど、みすゞは死は命の〈終わり〉ではないという死生観を持っています。
命は繋がって循環しているという独特の世界。
そう考えれば理解はできるのだが、どうも心からの納得とは違うんだな…

みすゞ特有の自己犠牲の精神…？
みんなのために、大事な人形だけど、我慢して埋めちゃう…

うう～～～わからない！！！
でも、このわからなさの中を漂うのって、好き（笑）。
何年越しの宿題が、岩が割れるようにわかる瞬間があったり、わからないまままた何年もぶら下げ続けたり…
一つ言えるのは、謎の中にこそ、みすゞがいるってこと。
嗚呼、追いかけても追いかけても、謎は続くよどこまでも☆

Happy birthday to me!

５０の大台に乗りました。
なんか感慨深いモノがあるのかと思ったら、何の感慨もありません（笑）。

愚息から、メールがありました☆
「夏に帰った時にでも、御飯連れてくから」と。
「メールだけで充分幸せだから、無駄使いしないで貯金してね」と返信しました。

最後に「じいちゃんと、ばあちゃんをよろしく」とあって。
じいちゃんと、ばあちゃん「に」ではなくて
じいちゃんと、ばあちゃん「を」…
いつの間にか大人になっていました。
素敵に育ってくれて、ありがとう。
それが何よりのプレゼントです。

谷のオススメ☆

My favorite!
陸前高田の小谷園さんから、お取り寄せ。
お茶屋さんなのになぜか、酔仙という日本酒２本（もちろん一升瓶）と、わかめスープ５ヶ。

インスタントのわかめスープは、ズボラな私のつよ～い味方☆
美味しいのはもちろんのこと、小分けされてないので量を調節できて便利です。
ちょっとしたお礼に重宝してます。
そんなこと、お店のご主人に話していないのに、プレゼント用の紙袋まで同封して下さって…

昨夏、川原祭組さんにわらじを脱ぎ、〈どっこい所〉で朗読させていただいた折、お隣の小谷園さんにアイスを買いに行ったところ
何と、震災前に市民会館で上演したみすゞの一人芝居『空のかあさま』をご夫妻で観て下さっていたことが判明！

ささやかな協力ですが、たまにお取り寄せさせていただいてます。
よろしければ皆さんも、いかがですかぁ？
　https://marugoto.iwate.jp/shop.php?shop=C0000021&name=index　

自分開放講座レポート ２０１５年５月２１日（木）

今日はシダックスの自分開放講座でした。
　http://www2.u-netsurf.ne.jp/~apro/html/lecture_regular/shidax.html　

この講座では、朗読や脚本のリーディングの他に、いろいろなレッスンをしておりまして。
準備運動がわりに、音楽をかけて、その日のテーマに添った自由ダンスをしています。
楽しいんだな、これが！

今日は、ARBの♪AFTER'４５をかけて、〈家族〉をテーマにLet'dance！
　https://www.youtube.com/watch?v=q85bVFC8GHQ　

ちょっと抽象的で難しいテーマにしたので、久し振りに私が一番手を務めました。

♪悲しみを拭い去れずに　君は夜の川を渡る…

心に沁みるバラードで、想い想いに〈家族〉を表現。
うちら全員、家族をこじらせてる人間ばかりなんで、想いの丈を吐き出した感じだった…
なんかみんなの足掻きや愛が伝わってきて、泣けてきたよ。
むちゃむちゃデトックスで、ご自愛な講座となりました☆

２０１５年５月２０日（水）晴れ

朗読のご依頼をいただき、月曜日に打ち合わせをしてきたのですが…
何とご担当者さまは、２年前に〈あすーる」〉を見て以来、いつか谷を呼びたいと思っていて下さったそうで。

〈あすーる〉というのは、生協の宅配パル・システムの利用者に配られている冊子で。
２年前に取材を受け、記事にしていただきました。

その記事を書いて下さったのもまた、１４年前に埼玉での上演活動が始まったばかりの頃、金子みすゞの一人芝居を呼んで下さったPTAの方で。
「いつか、谷さんを記事にしようと思ってました」と言って下さり…

長いこと続けていると、巡り巡ってたくさんの出会いが繋がってゆきます。
たくさんのご縁に助けていただいていること、本当に在り難いです。

さぁ、明日はシダックスの自分開放講座、ガンバるぞっと☆
　http://www2.u-netsurf.ne.jp/~apro/html/lecture_regular/shidax.html　

２０１５年５月１７日（日）晴れ

おかげさまで、会場下見と打ち合わせのラッシュです☆
昨日は、金子みすゞの生涯を描いた一人芝居『空のかあさま』上演の件で、東京の文教大学付属小学校へ行ってきました。
呼んで下さった校長先生は、４年前は渋谷区の公立小学校の先生でした。
先生方の研修として、金子みすゞの朗読講演会をさせていただいた時が出会いで…
その後、北区の教育委員会に異動された時も呼んで下さり…
ご栄転になった途端に、今度はお芝居を呼んで下さいました。
クチコミが頼りなので、リピートは本当に嬉しいです。

明日は、埼玉県の越谷に行きます。
市民活動支援センターと図書館の共催で、８月に金子みすゞの詩の朗読とお話をというオファーなのですが…

越谷は、私が書き下ろした『顔』～沖縄戦を生き抜いた女の半生～のモデル・新垣さんのお住まいの近くでして。
敗戦から７０年でもありますし、「８月に開催する朗読会なら、こちらをやりませんか」と提案しました。
みすゞの方は、私が生きてさえいれば、この後いつでもできます。
朗読後のトークで新垣さんにお話をしていただけるのは、命の時間との追いかけっこですから。

打ち合わせの後は、久し振りに新垣さんと呑みま～す。
楽しみだなぁ！！！

2015年5月15日（金）晴れ

おはようございます。
これから、来月、沖縄でする朗読会の打ち合わせに行ってまいります。
埼玉県草加市にお住まいの沖縄戦体験者・新垣文子さんをモデルに自作した『顔～沖縄戦を生き抜いた女の半生～』という作品を朗読させていただきます。

沖縄で平和ガイドをされている方が、現地でいろいろと奔走して下さっていて、本当に在り難いです。
会場の候補として、ガマという案も浮上しています。

午後は、川越の公民館でやっている朗読サークル。
　http://www2.u-netsurf.ne.jp/~apro/html/lecture_regular/work_takashina.html　

夜は、『父と暮せば』の稽古。
今日も、めいっぱいガンバりま～～～す☆

2015年5月11日（月）みすゞ塾レポート

月曜日、地元のお寺でやっている小さな朗読教室〈みすゞ塾〉でした。
　http://www2.u-netsurf.ne.jp/~apro/html/lecture_regular/misuzu_juku.html　

5人しかいない塾生のうち、2人が元・校長先生、しかも国語科。
大学も出ていない私が塾長をしていて良いのでしょうか（笑）。
塾生のうち１人は、〈原爆の図〉で知られる丸木美術館で理事をしている絵描きさん。
絵描きさんが下さった反物で、もう一人の塾生が衣裳を縫って下さいました☆
縫ってくれた塾生は、元・家庭科の先生で、『アローン・シアター』で衣裳を担当して下さっています。
このスカートに合わせた、上着も作って下さっているそうで楽しみです。

その塾生は福島の二本松出身で、3年前、二本松で原発について考えるフォーラムを開催。
「わだば東北の鬼になる」と宣言した、武藤類子さんをお招きしました。
私も参加しましたが、武藤さんの穏やかな説得力に大変感動したのを鮮やかに覚えています。
塾生は、その時のレポートで、日本女性学習財団の賞を受賞！！！

彼女は何と、武藤さんが団長をされている〈原発告訴団〉の告訴人に名を連ねたそうな。
スゴイなぁ…
『アローン』の事務局は、「みすゞ塾って、松下村塾みたいだね」と、キラキラと語っていましたヨ。

おまけ
その彼女、塾の日がちょうど〇〇回目のお誕生日で、おもむろに「今日私の誕生日なんで、みすゞじゃない詩を最後に読ませてもらってもいいですか」と、茨木のり子の「倚りかからず」を朗読。
「おめでと～」と、みんなで拍手。
楽しかったなぁ。

母の日・その２

青臭い打ち明け話をしましたが、性懲りもなく続きです（汗笑）。

中学校に講演に呼ばれると、よく話すことがあります。
コドモ時代は、家と学校が世界の全てになりがちだけれど、それが全てではないヨと。
私は家と学校に居場所が無かったけれど、演劇の世界に亡命することができた。
「生きるための逃げはアリ」
大好きな漫画『銀の匙』に出てくる校長先生の言葉です。

全ての親が人格者であるはずもなく
未熟な親のもとに生まれてしまうことを避ける術はなく
親を愛せない自分を責め続けてきました。

でもオトナになってあたりを見回すと、そんなことはよくあることと知り
やっと、親を愛せない自分を赦せるようになりました。
赦すことを知って、親のことも赦せるようになったのかな…

「大人になるということは、自分の方から愛してゆけるようになることだと思う」
いわさきちひろの言葉だったか…

私は今、愛することを学習ちう。
この学びも、息子がくれたもの。
親があって私がいて、息子がいる。
命の巡りに感謝です。

母の日にちなんで…

先月、母と人形展に行ってきました☆
５０歳になろうとする娘に、シールを買ってくれましたヨ。
レジで会計しようとしたら、「買ってあげたいの」と払ってくれました…。
スペシャルな時にだけ、大事に使うことにします。

父ともそうですが、仲の良い親子ではなかっただけに…
何でもないような幸せが、沁みてきます。
「和解ほど尊いことはない」という太宰の一節が、しきりに思い出される母の日です。
あと何回、一緒に母の日を過ごせるんだろう…

さぁ、明日は地元のお寺でやっている小さな朗読教室〈みすゞ塾〉
　http://www2.u-netsurf.ne.jp/~apro/html/lecture_regular/misuzu_juku.html　
午後は、ヴォイス・トレーニング。
愛し合ってるか～～～イ、全開でいくぜ、ベイベ～！！！

お辞儀を観る目

前回のブログで、亡くなった名プリマ、マイヤ・プリセツカヤのお辞儀に感動して泣いたことを書いたが…
今朝の東京新聞１面のコラム『筆洗』を読んで、びっくりした…

何と、マイヤの運命を決めたのがお辞儀だったそうだ！！！
モスクワのバレエ学校の入学試験を受けた８歳のマイヤは、踊りの初歩すら知らなかったのに、そのお辞儀を見た校長が入学を即断したという。

私のお辞儀を観る目って、スゴイかも（笑）☆
いやぁでもジョーダン抜きで、マイヤのカーテンコールを観て以来、お辞儀に魂込める努力をしています。

可愛がってくれた伯母の遺言が胸をよぎります…
「みえ（谷の本名）ちゃん、富や名声じゃないんだよ。足を運んで下さったお客さまのことだけを思って、一心に務めるんだよ」。
うちの母と息子も一緒だったのに、目に入ってない感じで、私の手だけを握り、うわごとのように繰り返してた…
ありがとう、おばちゃん。
私、ガンバってるからね。

２０１５年５月４日（月）晴れ時々くもったり、狐の嫁入り的雨降ったり

愚息がGWで帰省中なので、楽しんでオカーサンしてます！
食べさせたいって、生き物として一番シンプルな愛ですよね☆
「オカンの〇〇が食べたい」とか言われると、イソイソとお台所しちゃいます（笑）。

それにしても、素晴らしい二人のアーティストが、また星になってしまいましたね…。
ベン・E・キングの♪スタンド・バイ・ミーは、ウチのオハコなんよ。

バレーの神さま、マイヤ・プリセツカヤも逝ってしまった…。
彼女の『瀕死の白鳥』は忘れられません。
踊りはもちろん素晴らしいのだが、お辞儀に感動して泣いたのは初めてだった。
カーテンコールに何度も応えて下さって、片腕をあげるだけで白鳥が死ぬさまを瞬間で表出できるって、どんだけなんだと今でも思ってる。
玉三郎の『鷺娘』は、絶対『瀕死の白鳥』の研究から生み出した芸だと思ってるし。

役者として現役なうちに、自分なりにどこまでイケるのか頑張りたいと、気合入れ直しちう。

『アローン・シアター』が、演劇博物館に認知さる！

『セイムタイム・ネクストイヤー』でバッタバタだった頃なので、すっかりUPし忘れたが…
早稲田大学の演劇博物館から、アンケートが来たんです！
舞台の記録映像に関するアンケート。
ヒェ～～～、『アローン・シアター』が、演劇博物館に認知されてるってこと？！！！
だからどうなるってもんでもないが（笑）、なんか嬉しいかも☆