2012年7月31日火曜日

♪ファイト

シダックスで自分開放講座をやっている。なんせ、カラオケ使いたい放題なので、カラオケをバックに歌詞を朗読したりもする。

受講者が、「先生に合ってると思うし、いつか講座でやりたいです」と、中島みゆきの「ファイト」をリクエスト。知らない曲だったので、You Tubeで見てみて泣いた。

で、今度の福島での朗読会でも、やることにした。ただ…私が感動したメッセージが、皆さんに誤解なく伝わるだろうかと…心は嵐の中の小舟状態。どんな歌詞か興味のある方は、「中島みゆき」「ファイト」で検索してみて下さい。

そこで、職権乱用(笑)。7月19日、講座のテキストとして、やってみることにした。

これを福島でやっていいものかどうか迷ってると話したら、「先生が、やりたいと思う根っ子がちゃんとあるんだから、大丈夫だよ」と…。素晴らしい生徒たちに乾杯!私のご指導の賜物です(笑)。

いざ、朗読練習。と…う~ん、なんかズレてる…。

「感情の出し方が逆なんじゃないかな。そういう表現だと、偽善者にみえてしまうヨ」と私。「もし、自分が福島でこれを朗読するとしたら、どうやる?2回目は、それでやってみて」とダメ出し。

…一同、フリーズ。福島でこれを朗読することの意味が、初めて身体中に流れたようだった。

♪闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう…一人は読みながら、泣き出した。一人は、混乱そのままの表現。「自分でも違うってわかってるんだけど、どうしていいかわからなくて、最後の一言<ファイト!>は。どうしても言えませんでした」。

一度目のよみと比べて、これだけ変化できる感性やよし!

<福島で朗読>…言葉の意味は、誰だってわかってる。だけど、本当にはわかってはいない。当事者にならないと、わからないことだらけだ。

そういう私だって、福島のこと、きっと本当にはわかってなんかいないはず。大切なのは、わかった<つもり>にならないことだと思う。自分はわかってなどいないと自覚すること。被災地の支援って、そこからスタートしないと、ろくでもない勘違い野郎になってしまう…と思う。

ぐちゃぐちゃな心を引っさげて、作らない私で、福島ガンバってきます!

2012年7月28日土曜日

2012年8月5日(日)11:00~ふくしま応援朗読会「金子みすゞの世界」

@福島市 ゆず沢の茶屋 離れの工房
 http://www2.ocn.ne.jp/~yuzusawa/ 
参加費 578円(お弁当代)

古材で建てた、離れが会場です。囲炉裏が切ってあって、絵になる雰囲気。ここで四度もお芝居させていただきました。三度は、みすゞの一人芝居「空のかあさま」。一度は「昔遊女考」という、語り芝居。昔、遊郭で働いていた女の人が語る切ないお話。オーディションで募った福島の方々と創りました。

先代の女将さんが、可愛がって下さったのですが、一昨年に亡くなってしまいました。「偲ぶ会を」なんて言っている時に、震災が…。

陸前高田の支援に駆けずり回っていたので、お線香をあげに顔を出せたのは、ちょうど去年の今頃でした。息子である専務さんから、大変なご様子をうかがい、何かお役に立てないかと思い続けてきましたが、やっと機会を作ることができました。

なので本当は578円のお弁当ではなく、お客様にはもっと高いものを召し上がっていっていただきたいんですが(笑)。工房貸し出しのシステムをPRするには、この方が良いだろうと…。

とっても素敵な工房を、参加人数分のお弁当代のみで貸し出しています。ぜひ、ご利用下さいませ!

今回は終演後、私も混ざってお喋りしながら一緒にお弁当をいただきましょうという、楽しい企画です。

応援している「Weフォーラムⅰn福島」の分科会と時間が重なってしまっているので、遠慮がちに…(ゆずさんの朗読会、ぜひぜひいらして下さいな!)。

2012年7月24日火曜日

満員御礼!札止めでございます☆

いつも<みすゞ塾>のレポートを寄せてくれている塾生が、8月4日(土)福島の二本松でフォーラムを開催。東北の鬼となった武藤類子さんのお話を聞く。故郷のために実行委員長となって奮闘する塾生を、私も応援している。

が、まさかの展開。早くも定員に達し、4日・全体会の受付を終了した。東京の友人から、参加したいと今日葉書が届いたのだが、どうしよう…うれしい悲鳴。

先日、朝日新聞にも出ていたが、武藤さんはハイロアクションのスピーチで大変な感動を巻き起こした。東北の鬼となった武藤さんは、今回もまた新たな感動で、みんなの心を一つにしてくれることと楽しみにしている。

全体会は札止めだが、翌日の分科会は、まだ余裕があるそうです。

8月5日(日)Weフォーラムin 福島 分科会
9:30~12:00
@福島県男女共生センター「女と男の未来館」
 http://www.f-miraikan.or.jp/pub/top.aspx
参加費 1,000円 (福島の方 500円)
問い合わせ we2012@femix.co.jp

分科会1 いま、いのちを守るために(保養・避難)
分科会2 お米の放射能汚染ゼロへの挑戦
     天栄村の安全でおいしい米づくり
分科会3 放射能の授業をつくる
分科会4 被災地で深刻化する高齢者の認知症
     今だから寄り添って癒しと笑いで、生きる力を取り戻そう!
分科会5 若者の視点でみた「ふくしま」

今だからこそ、福島で、福島の、そして私たちの未来について、一緒に考えましょう。分科会、奮ってご参加下さいませ!

2012年7月19日木曜日

お中元

暑中お見舞い、申し上げます。

スタッフ他、私がビンボーなのを知っていて、シャレと受け取ってくれる方々へのお中元は、宝くじ。お歳暮も宝くじ。毎年決まって宝くじ。各々、1枚ポッキリの宝くじ。

これまでの成果は、300円当たった人がチラホラリ。でも、買わない人には当たらない。

うちの事務局は、「当たったら、陸前高田に1億寄付する」と言っていました!当たりますように☆

2012年7月14日土曜日

2012年7月9日(月) みすゞ塾レポート

塾生より届いたレポートです*smile*

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『美しい町』上の「空のあちら」30編が終わり、今日から「砂の王国」に入った。
「麦藁編む子の唄」「もくせい」「睫毛の虹」「洋燈(らんぷ)」「どんぐり」の5編を稽古した。
ここでは「もくせい」を取り上げる。

「もくせい」

もくせいのにおいが
庭いっぱい。

表の風が、
御門のとこで、
はいろか、やめよか、
相談してた。


私は、秋になるとどこからか香ってくる「きんもくせい」が大好きだ。夏休みが終わって、また2学期も元気でがんばろうという前向きな気持ちにさせてくれた。「もくせいのにおいが/庭いっぱい。」という2行で、その気持ちを思い起こす。塾長は「短い詩だけれど、大好きな詩のひとつ。でも、短いから耳だけで聞いて、イメージは伝わるのか、この詩の良さを朗読で表すのはむずかしい。」とおっしゃる。

だから、私は、前向きな気持ちを思い出し、元気にゆっくり読んでみた。「ゆっくり読むこと、で空間の広がりを感じる。いつものローカル色が出て、土のかおりがしたよ。」という評。

他に、この詩を選んで朗読練習した方への塾長の評は「表の風が悩んでいる感じがよく伝わる。」「はいろか、やめろか、相談する様子がかわいく読めた。」。いつものように、個性の出る読みで、短い詩であっても、対比のおもしろさが表れた。

稽古の途中に、蓮馨寺で寺男として働くおじさんが見学に表れた。「どんぐり」の詩を聞きながら、
「昔はね、前掛けは仕事着だった。肩当にもなるし。どんぐりは捨てるのではなくて自然に返すんだ。私は、天皇陛下と同じ生まれ(1933年・昭和8年)だよ。」と時代を語って下さった。「おじさんも読んでみて」とねだったら、「私はいいよ」と帰られた。こんな飛び入り大歓迎です。

2012年7月10日火曜日

モノ申した後の感想

皆さんは、昨日の「金子みすゞ物語」ご覧になりましたか?私は下北沢のスズナリで芝居を観て帰ってきてから、録画しておいたのを見ました。疲れて眠かったのだが、ど~しても気になって(笑)。

上戸彩ちゃんは美しい、演技も上手。だがやっぱり、描き方がイヤだった。恋する女の顔で弟に接していた。たとえ擬似恋愛的感情があったとしても、あんなに生な女の媚びる目で弟を見るのは、イヤだ。みすゞを、そんな女として描かれるのは、私は悲しい。

魔性の女が「みんなちがってみんないい」と発すると、自分への免罪符のようになってしまう。違うだろう、これは、そういう詩じゃないはずだ。

「事実ではなくフィクションです」とのエクスキューズをわざわざ入れるのも、クレームへの予防線のようで…。そう断ったとしても、大衆は、事実としてとる。TVとは、そういうメディアだ。

夫を一方的に悪者にする分量は、これまでに比べれば多少減ったようには思う。夫がみすゞに詩作を禁じたのは、昭和3年の夏ごろとされている。が、一日中見張られているわけではない。書こうと思えば書けたわけだ。実際、昭和4年の5月号まで、みすゞは雑誌への投稿を続けている。皆さんはこれを、どう見るだろうか。本当に夫は禁止したのだろうか。

また、命を絶つ前夜。ふーちゃんの寝顔を見て、「可愛い顔して寝ちょるね」と言うシーン。以前のドラマでも、映画でも、他の方のなさる芝居でも、みんなそうなっている。しかし、この場にいた人は、上山の小父さんも、ミチさんも、取材のはるか前に亡くなっているのだ。幼かったふーちゃんが覚えているはずもない。まして寝ていたのだから。

こうしてまた、みすゞの偶像が一人歩きしていく。なんだかなぁ…。ま、コツコツ頑張りますワ。

上山の小父さん役の西郷輝彦さんは、明治の男の一徹な空気を醸していて素敵でした!

2012年7月7日土曜日

モノ申す。

7月9日、上戸彩ちゃんがみすゞの役をやる「金子みすゞ物語」が、TBSで放映される。みすゞと弟との恋がテーマだという。彩ちゃんには何の恨みもないが、テーマがいただけない。

たしかにみすゞには、弟以上、恋人未満という、擬似恋愛的感情はあったかもしれない。しかし、それがテーマだなんて、まるで女性週刊誌だ。

プロデューサーが、視聴率のための描き方をするのはわかる。それを止めるのが、監修者の仕事だ。<詩人>金子みすゞを、真に愛するなら。お金のためなら何でもOKでは、監修の名が泣く。

弟・正祐は、みすゞの詩の一番の理解者だった。(私もそうだが…気が引けるので、カッコにしました・笑)芸術家にとって、仕事が全て。そこに人生の全てを懸けている。仕事への理解に勝る喜びは無い。みすゞにとって正祐は、そういう存在だったのだ。

複雑な家庭の事情から正祐は、みすゞを姉とは知らずに好きになってしまった。みすゞの方は、弟と知ってはいた。しかし、ビミョーに揺れる女心。その後ろには、みすゞの気持ちもわかるなぁといういろいろな環境と理由があるが、長くなるので省く。

無理もないと共感できる事情と理由があるだけに、道ならぬ恋をクローズアップして興味本位に引っ張るのは、いかがなものか。

みすゞの遺児、ふさえさんはご健在だ。まさかドラマで近親相姦的な品の無い描き方まではしていないだろうが、なぜ抗議をしないのか。私なら、母をそんな描き方されるのは、絶対に嫌だ。ふさえさんが抗議しない理由については、口を慎みたいと思う。

いずれにせよ、みすゞをそのように描くドラマにNoと言わない人が監修し、金子みすゞ記念館の館長をし、みすゞに関する一切の権利を牛耳っている。

その矢崎氏の著書『金子みすゞの生涯』が増刷だそうだ。この本は、稿を急いだためのミスか、取材不足か、はたまた故意か定かではないが、齟齬が多い。にもかかわらず、氏の創り上げたみすゞの偶像が、また一人歩きしていく…。この国には、権力者を疑わない善人が多い。それは美徳でもあるのだが。

氏は、みすゞを発掘した<発見権>を振りかざし、金子みすゞを商標登録した。みすゞの詩集を世に出した功労には、私も素直にシャッポを脱ぐ。しかし、発掘したのは彼ではない。彼の前に、長州新聞の主幹がみすゞの遺稿を手にし、『話の関門』という雑誌に書いている…と、昨年暮れの週間文春にある。

暮れの文春の見出しは、「おかねって聞くと おかねって答える!?」という散々なものだった。週刊誌に叩かれたのも、火のないところに煙は立たずの道理だ。にも関わらず、氏の著書は版を重ね、この度のドラマを機に、講演の機会を増やすのだろう。

マスメディアに乗ってバラ撒かれる嘘と、私が細々と語り続けるみすゞでは、数が違い過ぎる。でも、私はあきらめない。ごまめの歯軋りを続けてゆく。応援、ヨロシク☆

明日は、埼玉の東松山で朗読講演会。ガンバるぞ~!

真鶴中学校のHPに、講演会の記事が載りました☆

6月28日、「金子みすゞとそれから私」~命の授業~の記事です。ぜひ、見てみて下さいね*smile*
 http://www.town-manazuru.jp/manachu/ 

2012年7月4日水曜日

2012年7月8日(日)14時~ 朗読とお話『金子みすゞと多喜二と雷鳥』

@埼玉県東松山市 平野市民活動センター2階 視聴覚室
 (東松山市東平567-1)

入場無料 総会の後の記念講演となります

主催 いのちとくらし、平和を守る懇話会 東松山

金子みすゞは、『蟹工船』の小林多喜二と同じ年生まれ。多喜二が獄死したのは、昭和8年。みすゞの自死は、昭和5年。軍国主義に雪崩れ込む時代にみすゞは、<みんなちがってみんないい>と謳いました。時代を知ると、この言葉に込められた心の叫びが、さらに胸に沁みてきます。

ウラがとれていないのですが、みすゞは与謝野晶子と文通していたという噂もあります。女性運動の先駆け、平塚雷鳥が創刊した『青鞜』の巻頭を飾ったのは、晶子の「そぞろごと」という詩でした。土井たか子さんの名言「山は動いた」の元となったと思われる、そのカッコいい詩も読みます。乞う、ご期待!

駅から遠くて少々不便ですが、ぜひお出かけ下さい。よそでは聞けない視点で、お話させていただきます。

さぁ~、今日も稽古、ガンバるぞ~☆

2012年7月3日火曜日

FBに真鶴の写真UPしました

FBに登録してないと見られないのかしら…。そのあたりよくわからないのですが、よかったら見てみて下さいね。
 http://www.facebook.com/futoshi.toba#!/emi.tani.10

このブログには写真載せられないし、サイト管理人がチョー多忙で、サイトに写真UPしてもらえない状況が続いています。FBとの二本立てで発信してますので、ヨロシクお願いいたしますね☆

2012年7月1日日曜日

2012年6月25日(月) みすゞ塾レポート

本番が重なり、upが遅くなってしまいました。塾生からのレポートは、とっくに届いていたのに、ごめんなさい。

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私が用事があって早退してしまったので、今日は、朗読の報告ができない。代わって、朗読練習の前に学習している<みすゞ豆知識>について、今回は述べたい。

今年度4月以降は、今野勉著『金子みすゞふたたび』(小学館)を下敷きに、塾長・谷さんの考えも交え学んでいる。今野さんは、1995年の8月に放映されたNHKスペシャル「こころの王国~童謡詩人金子みすゞの世界」のディレクターである。『金子みすゞふたたび』は、今野さんが10年後の2005年、再度みすゞを訪ねた記録である。

この本は2007年に発行され、私は、新聞の書評欄に紹介されていたのを目にして読んだ。今野さん、みすゞにかける思いは尋常ではないなと思ったこと、「こころの王国」を見たいと思ったことなどを思い出す。

今回の豆知識のタイトルは、「無縁墓 その4」。みすゞの父がなぜ無縁墓に葬られたかを引用して論じている。みすゞの母ミチは、夫は病死と知っていてなぜ、無縁墓に葬ったのだろうか、そこにはミチの強い意志があったのではなかろうか。「この謎は、絶対に解けないと直感しつつも、今野さんの金子みすゞは<ふたたび>始まった。」という一文で豆知識は次回に続く。

谷さんは、2010年3月、ライフワークの一人芝居『空のかあさま』をみすゞの故郷と、終焉の地・下関で上演したいという夢を叶えた。そのお芝居を観て、金子みすゞの足跡を辿るツアーに、私は参加した。仙崎公演の会場は、みすゞのお墓のある遍照寺の本堂。

仙崎散策では、もちろんお参りもした。みすゞと父は、遍照寺の無縁墓に眠っている。仙崎の生き字引と言われる名ガイド坂本さんの説明で、この地方の無縁墓というものを初めて知った。

お寺の門をくぐると、本堂に続く道のすぐ左手にみすゞの墓はあった。そのすぐうしろに「金子家累代乃墓」として別の墓が建っているのも驚きであった。

私は、みすゞは父と共に無縁墓に眠っていると本で読んで知っていたが、無縁墓は墓地の片隅にひっそりと建っているものと勝手に思っていた。その思い込みが覆された。「昔は、殺されたり、自殺したり、ふつうでない死に方をした人は、先祖代々の墓に入れずに、無縁墓を別に造って、そこに埋葬したんです」と初めて知った。

実の父を知らないという生い立ちの私は、父を思うということをしないで子ども時代を過ごした。みすゞは、祖母や母から父について知らされていたと思う。お盆や命日など季節の行事には墓前で手を合わせていたことだろう。

仏教が盛んな仙崎では、毎日の生活の中にお寺やお墓は、当たり前の風景としてあったからだ。ただ無縁墓であることをどう思っていたかは、無縁墓を思い描けない私には想像できない。

これから、豆知識として『金子みすゞふたたび』を読み解く中で考えていきたい。これを書きながら「むえんばか」を変換すると、「無縁ばか」と出るので苦笑してしまった。

引っ越し:追記

谷英美サイト は、この旧ブログへお引越し予定。サイトは閉鎖予定です