このレポートを担当してくれている塾生は、早々にレポートを寄せてくれていたのに…毎度、UPが遅くなり、ごめんなさい。以下、先日のレポートです。
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『美しい町・上』より「魔法の杖」「一軒屋の時計」「博多人形」「忙しい空」「秋日和」
9月に入って残暑の厳しい日が続いているけど、空は高くなったし、虫の音も聞こえるし、塾に来るまでの川越線の車窓からは黄金色に色づいた稲穂が見え、刈取りも始まっている。「秋日和」は、空の高さが感じられる詩。今の季節と天気にぴったりのとても気持ちのよい詩である。
「秋日和(あきびより)」
お天気、お天気、
川辺の梢(こずえ)で、
もずきち高啼(な)く。
乾(かわ)いた、乾いた、
刈田(かりた)の刈(かり)稲(いね)、
榎(えのき)の掛(かけ)稲(いね)。
続くよ、続くよ、
むこうの街道(かいど)を
稲積んだ車が。
お天気、お天気、
啼け啼けもずきち
底なしお空で。
この詩は塾生5人すべてが朗読練習に選びました。
Aさん:「お天気、お天気」は高い空を見てるし、「むこうの街道」は、遠くを見て、と目線が変わることが感じられる読みである。明るく読めないのがコンプレックスというけど、他人の評価は違うもの。さわやかな秋晴れを明るく表現する声を持っているから、自信を持って下さいね。
Bさん:自由奔放に読む人のことを思い出して、ぱーっと突き抜けるような読みに挑戦しました。空間の広がりを感じるし、「お天気」が元気と聞こえるくらい、言葉の歯切れよさを感じる読みでした。
Cさん:独特のテンポがこの詩に合っている。ローカル色のある微妙なイントネーションが合っていて、空の高さ、秋のさわやかさ、気持のよさが伝わってくる。
Dさん:派手な変化はないが、自分なりの表現で読めていて、イメージしているものも伝わってくる読みでした。彼女は「底なしお空」という表現が好きだという。空に底がないという表現は、宇宙の本質をつかんでいる。
Eさん:「続くよ、続くよ」「啼け啼けもずきち」など自分の感情をのせて読んでいるのがよい。「秋日和」は、豊かな実りの秋を、お百姓さんたちをよく見ているみすゞがとてもよく表現している。田んぼが乾くことで作業がしやすいこと、お天気で稲が乾くことのうれしさ、お百姓さんの気持もよく知っている。もずきちと愛情を込めた言い方もよい。そういう秋日和を読みに込められている。
塾生それぞれが、個性を発揮するし、イメージすることも、注目することも違うから、いろんな読みで表現する。塾長は、「おもしろいねぇ。いいねぇ。」と楽しんでおられる。朗読も音を聞くだけでなく、表情や体で表現しているから、見ていても楽しい。それをおもしろがっている塾長をみているのもおもしろい。2時間が瞬く間に過ぎる。
最後は、塾長の底なしお空が広がって、気持よい読みでおしまい。9月29日に米沢の芋煮会での朗読会でこの詩を披露するのだそうな。よい秋日和になるでしょうね!!
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