今回も担当の塾生がお休みだったため、塾長によるレポートです。その方を含め、3人もお休みだったのですが、淋しくならないのが不思議(笑)。パワフルな塾生に、『アローン・シアター』会報発送作業のお手伝いをしていただきました。1時間早く出てくるのは大変だと思うのですが、本当に助かっています。
お礼は、感謝を込めた<スウィーツ>。今回は東北支援のため、岩手は住田町と平泉のお菓子。はからずも、塾生からも「お土産です」と仙台銘菓<白松がモナカ>が!聞けば、石巻の渡波に朗読ボランティアに行ってきたとか。10時のおやつをしながら、いろいろお話をうかがいました。
被災地を想う温もりを心に宿しながら、さぁ、お稽古。この日は「まつりの頃」「雀のかあさん」「月と雲」「泣きむし」「小さなうたがひ」。
「雀のかあさん」
子供が
小雀
つかまへた。
その子の
かあさん
笑つてた。
雀の
かあさん
それみてた。
お屋根で
鳴かずに
それ見てた。
いつもながら、解釈とは、こんなに分かれるものかと…!!!
Aさん「得意気な子どもの気持ちを、笑顔で汲んであげるお母さんの気持ちもわかるし、子雀を捕まえられてしまってもどうすることもできないお母さん雀の気持ちもわかる。それぞれの気持ちが、よく出ているなぁと思います」
Bさん「引いて見ている、みすゞのクールさを感じる」
Cさん「ビミョー」
で、読みはというと…。
Aさん。子雀が心配でたまらないというお母さん雀の気持ちが、ものすごく伝わってきました。物事を、まっすぐにおおらかに捉えるお人柄がよく出ています。
Bさん。第三者的、冷静な読み。
Cさん。「ビミョー」の中味がよく伝わってきました。<笑つてた>と<鳴かずに>に、<ビミョー>な色が滲んでいました。
たしかに、お母さん雀は、人間に対して非力です。子雀を取り返す闘いを挑むわけにもいかないのだから、鳴かずに見ているしかないんですよね。でも私は、そこにみすゞの母・ミチとみすゞの関係性を、どうしようもなく感じます。
自分を守ってくれなかった母・ミチ。でも他家の後妻に入り、その家にみすゞも居候している…という状況では、どうすることもできなかった。その母の立場や気持ちを、みすゞはよくわかっていたでしょう。私にとってもやはりこれは、<ビミョー>に切ない詩です。
そんな苦い寂しさをも愛でながら、みすゞの魅力を分かち合う…そんなひとときでした。
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