本番が重なり、upが遅くなってしまいました。塾生からのレポートは、とっくに届いていたのに、ごめんなさい。
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私が用事があって早退してしまったので、今日は、朗読の報告ができない。代わって、朗読練習の前に学習している<みすゞ豆知識>について、今回は述べたい。
今年度4月以降は、今野勉著『金子みすゞふたたび』(小学館)を下敷きに、塾長・谷さんの考えも交え学んでいる。今野さんは、1995年の8月に放映されたNHKスペシャル「こころの王国~童謡詩人金子みすゞの世界」のディレクターである。『金子みすゞふたたび』は、今野さんが10年後の2005年、再度みすゞを訪ねた記録である。
この本は2007年に発行され、私は、新聞の書評欄に紹介されていたのを目にして読んだ。今野さん、みすゞにかける思いは尋常ではないなと思ったこと、「こころの王国」を見たいと思ったことなどを思い出す。
今回の豆知識のタイトルは、「無縁墓 その4」。みすゞの父がなぜ無縁墓に葬られたかを引用して論じている。みすゞの母ミチは、夫は病死と知っていてなぜ、無縁墓に葬ったのだろうか、そこにはミチの強い意志があったのではなかろうか。「この謎は、絶対に解けないと直感しつつも、今野さんの金子みすゞは<ふたたび>始まった。」という一文で豆知識は次回に続く。
谷さんは、2010年3月、ライフワークの一人芝居『空のかあさま』をみすゞの故郷と、終焉の地・下関で上演したいという夢を叶えた。そのお芝居を観て、金子みすゞの足跡を辿るツアーに、私は参加した。仙崎公演の会場は、みすゞのお墓のある遍照寺の本堂。
仙崎散策では、もちろんお参りもした。みすゞと父は、遍照寺の無縁墓に眠っている。仙崎の生き字引と言われる名ガイド坂本さんの説明で、この地方の無縁墓というものを初めて知った。
お寺の門をくぐると、本堂に続く道のすぐ左手にみすゞの墓はあった。そのすぐうしろに「金子家累代乃墓」として別の墓が建っているのも驚きであった。
私は、みすゞは父と共に無縁墓に眠っていると本で読んで知っていたが、無縁墓は墓地の片隅にひっそりと建っているものと勝手に思っていた。その思い込みが覆された。「昔は、殺されたり、自殺したり、ふつうでない死に方をした人は、先祖代々の墓に入れずに、無縁墓を別に造って、そこに埋葬したんです」と初めて知った。
実の父を知らないという生い立ちの私は、父を思うということをしないで子ども時代を過ごした。みすゞは、祖母や母から父について知らされていたと思う。お盆や命日など季節の行事には墓前で手を合わせていたことだろう。
仏教が盛んな仙崎では、毎日の生活の中にお寺やお墓は、当たり前の風景としてあったからだ。ただ無縁墓であることをどう思っていたかは、無縁墓を思い描けない私には想像できない。
これから、豆知識として『金子みすゞふたたび』を読み解く中で考えていきたい。これを書きながら「むえんばか」を変換すると、「無縁ばか」と出るので苦笑してしまった。
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