2012年3月28日水曜日

2012年3月26日 みすゞ塾レポート

塾生より届いたレポート、upします*smile*

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朗読の前に「みすゞ豆知識」というミニ講座がある。『童謡詩人金子みすゞの生涯』(JULA出版局)をベースに塾長の意見や疑問も加えて、みすゞの一生をたどった。今日がその最終回であった。私が「金子みすゞ」が気になった理由の一つに自死する前に一人で写した写真がある。なぜ彼女は、大好きなふーちゃんと一緒に撮らなかったのか。

私には、赤ん坊の私を抱いて写した母娘の写真がある。その写真を見た祖母は、この母娘を引き裂いたら、母は死ぬのでなないかと、母が離婚時に私を引き取れるようにがんばったという。私事の写真だが、みすゞのそれとどこが違うのだろうか。大きな違いは、みすゞは詩人であったこと。毎回「みすゞ豆知識」を聞きながら、いつもそれを考えていた。

みすゞの一生をたどることと、詩の世界に触れることで詩人金子みすゞを少しはわかってきたかなと思う。

本日の朗読は「春の朝」「仲なほり」「雨あがり」の3編。


「仲なほり」 Ⅱ集「空のかあさま」より

げんげのあぜみち、春がすみ、
むかうにあの子が立ってゐた。

あの子はげんげを持ってゐた、
私も、げんげを摘んでゐた。

あの子が笑ふ、と、氣がつけば、
私も知らずに笑ってた。

げんげのあぜみち、春がすみ、
ピイチク雲雀が啼いてゐた。


仲なおりの詩で「こだまでしょうか」にも通じる。げんげのあぜみち、春がすみ、雲雀、どんな風景を思い浮かべるだろう。そして、どんなストーリーができるだろう。男の子と女の子の些細なけんか、仲がよかった女の子同士のいさかい、もう少し大きくなった恋仲の二人、いろいろ思うと楽しい。さらに自分の人生の中でのたくさんのけんかや仲直りの思い出もよみがえる。それぞれがいろいろな思いで読み上げた。

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