ああ~大失敗!今日のみすゞ塾で、「前回のレポート、送ったんですが、届いてなかったでしょうか」と塾生に言われ…。
届いてます。私、見ました。でも、UPするのを忘れてしまいました。せっかくレポート寄せて下さったのに、本当にごめんなさい。
今日の塾も、とっても楽しかったけれど、今回はとりあえず前回の分のレポートです。…塾長 谷英美
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『美しい町・上』JULA出版より「紋附き」「噴水の亀」「行軍将棋」「鬼味噌」「美しい町」
「美しい町」
ふと思い出す、あの町の、
川のほとりの赤い屋根。
そうして、青い大川の、
水のうえには白い帆が、
静かに、静かに、動いてた。
そうして、川岸の草のうえ、
若い絵描きの小父さんが、
ぼんやりそれをみつめてた。
そうして、私は何してた。
おもい出せぬとおもったら、
それは誰かに借りていた、
御本の挿絵でありました。
3人が読みに挑戦しました。私は、幻想的な風景とストーリーの展開をしっとりと読もうと思いました。
不思議な雰囲気を醸し出す、画家さんの読みを塾長が「彼女は、この絵のどこに重点を置いて読んでいるかよく聞いて。」と投げかけました。
真っ先に「若い絵描きの小父さん」と私。絵本を借りたとか挿絵とか人物にあると答えたのがあと二人。「赤い屋根と青い川と白い帆」とあざやかな色彩だというのが塾長を含めて2人。正解は赤と青と白。やはり絵描きさんは色彩ですね。後の一人は、夢から覚めたところ、ストーリーのどんでん返しを上手に読んでくれました。
この詩は、みすゞが3冊の手帳に遺稿を残した1冊目のタイトルになっていて、それも「砂の王国」の章立ての最後に置かれています。この詩からすると、みすゞにとっての美しい町は、本の挿絵ということになる。
砂の王国では、どんどん造り替えていくけれど、美しい町は静かで、動きさえも止まる。
若い絵描きの小父さんは、どんな表情しているのだろう。みすゞは、それらを思い出の町でもなく、空想の町でもなく、御本の町にしました。
それは、「誰かに借りていた」を言いたかったのではないのかと私は思います。それも<誰か>とは、弟の正祐と思うのは、深読みしすぎでしょうか。弟は、養子に出されていて、子供時代は姉弟と名乗れなかったけれど、詩作するみすゞのよき理解者であったと思います。
遺稿となった3冊の詩を、みすゞはどんな思いで清書したのでしょう。タイトルにした「美しい町」のストーリーにどんどん想像をめぐらせます。今回時間がなくて言い出せなかったのだけれど、このことは、以前のみすゞ塾でも激論したことでした。
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