2018年10月20日土曜日

丸木美術館レポートby谷英美

久し振りに原爆の図丸木美術館に行ってきました

昨年5月、『顔』-沖縄戦を生き抜いた女の半生ー朗読公演をさせていただいて以来です。

「市民が描いた原爆の絵」を、加茂昴さんが模写を通して疑似体験することを経て、新たな創作をするという企画展に心惹かれまして…

舞台も、役を通して疑似体験を経ての創作、表現だから。

めちゃめちゃヒントをいただき勉強になりました。

そしてやっぱり、何回観ても原爆の図なんだなぁ!!!

怖くて二度と無理!という人もいます、たしかに恐いです、でもそれだけじゃあない。

線の美しさ、炎や血の細かなディテール、指先の表情に美を感じる私は不謹慎なのでしょうか?

描かれているのは生き地獄なのに、そこに美を盛った丸木夫妻に私は、命への愛と絵描きの性を感じずにはおれないのです。

そして描くのが地獄であっても、絵を描く喜び、一番好きな方法で表現している瞬間の表現者のピュアな喜び、芸術家のエゴと紙一重かもしれないストレートな幸福感に、どうしようもなく共振してしまう私がいる。

死を描くことは、最も命を描くことなのかもしれない。

さらに、この仕掛は丸木夫妻も期待して描いたのでしょう、絵と目が会うんです!!!

この瞬間に、観る観られるが反転し、絵に観られる、死者に見つめられる私になる。

死者たちに「私の命を踏み台にして、あなたはどんな未来を選ぶのか?」と問われる私がいる。

きっと私はこれから先、何度でも丸木美術館へ、絵と出逢い直しに行くでしょう。

芸術の秋、あなたもいかがでしょうか?

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